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「雲のむこう、約束の場所」

原作・脚本・監督: 新海誠
キャラクターデザイン・総作画監督: 田澤潮
美術: 丹治匠・新海誠
音楽: 天門

製作・配給: コミックス・ウェーブ

あの遠い日に 僕たちは、
かなえられない約束をした。

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[総感]

よくあるセカイ系作品だと、言ってしまえばそれまでだけど。だけど期待は裏切らない。

 

[フィクションにおけるリアリティー]

これら「セカイ系」と言われる作品の最大の弱点は、世界が狭すぎることにある。へたをすると、世界には主人公とヒロインの2人しかいない(苦笑)。んで、そんな作品の登場人物に易々と感情移入できるかというと自分はそうではない。

例えば、僕がゴジラシリーズよりもガメラシリーズ(ただし平成版)の方が好きだったのは、“社会的な”リアリティを十分感じることができたからだ。前者では、日本国の防衛機関はゴジラを「見守る」のが仕事(爆)だが、後者は、あくまでも自衛隊が怪獣退治の責を負うのだという意識が登場人物達にある。ガメラの世界では、人を守るのは人の仕事であって怪獣の役目ではない。※1

もう一つ例を挙げれば、コミックス版「風の谷のナウシカ」で、全編に渡って関わりを持つあの強大なトルメキア帝国よりも、地味(?とは違うけど他の言葉が見つからない)なドルク連合の方に政治体制のリアリティを感じられるのは、官僚の存在や国政と宗教の蜜月と対立などが嫌味なまでにリアルに描かれているからだ。※2

要するに、作品にリアリティーを持たせるには物語の「周辺」の描写が必要不可欠だと。(もちろん、そんな設定を入れようとすれば「本質ではない部分」に時間をとられるわけで、そのバランスは難しいところがあるが。)

本作は、その辺、しっかり描き込まれているなという印象。少なくとも、描き込もうとする制作者の意図は伝わってくるかと。

※1 もっとも、初対面の地球外生命体を人類の味方だor敵だだと安易には断定しなかった点で、ウ○トラマンの世界の住人より両作品の住人の方がよっぽど信用できる
※2 というのは野口悠紀夫氏の受け売りなのだけどw

※蛇足:ここまで書いて、特撮物はもう観られないなーと感じている自分に気付く。アニメについてはこうもアホみたくおおっぴらにしてるのに(自嘲)

 

[ストーリーとシナリオ]

んで、しっかりと確立した「世界観」からストーリーが組まれている(と僕は感じた)本作であるが、そのストーリーから切り出した「シナリオ」(作品内で描写されている部分)※3については、まだちょっと甘いかなと。

(ここんとこ、ほんとはもっと具体的に書かなきゃなんですがあんまり覚えてないんでごめんなさい。)

画についても、カットの一つ一つはすごく綺麗なんだけど――逆光を強調するその絵は個人的には大変に好きなんだけど――、それをちょこまかちょこまか切り替えられて右へ左へ視点が動いて延々瞳孔を刺激させられるのを観ていると、まだまだこれからに期待ですかねぇー。(って、てめー(自分)何様だっ(怒

※3 このあたりの言葉の定義はdetourist独自仕様ですので念のため

 

[主題]

つーことで、 よ う や く 標題の話。「彼女」か、「世界」か――あるいは「自分」か。

物語はサユリの目覚めと世界の収束によって終わる。が、彼女が眠っていた間に近づいていた主人公と彼女との距離も、喪失されてしまう。結局のところ、「彼」と「彼女」にとってはスタート地点に戻っただけで、何もプラスにはなっていないのだ。 

もし、自分の人生を生き抜く気があるなら、迷わず「自分」の世界を守るべきであり、それをできなかった「彼」は、今後ずっと、取り返したはずの「彼女」の中に彼が失った「彼女」を見るのであって、果たしてハッピーエンドにはなり得ない。※5

(日本語に直す(苦笑)と、「彼が救った「彼女」は、彼が救ったことによって「彼女」ではなくなった。」ということでおk?)

 

なのだけど、失ったからこそ、それを自分の中に留め続ける権利を得るのかも。とも思った。

※5 もちろん、「別の」ハッピーエンドは有り得るかもしれない(有り得ると信じたい)けど。

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関連サイト

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勝手にオススメ作品:あの夏の日のノスタルジー

関連作品

※6 映画中で引用されてた部分だけならあの朗読で非常にいいと思うのだけど、この詩そのものの背景を考えると、そう朗らかに読むのはちょっと違うんでないかと小一時間(ry。国語と言えば、亀ちゃん(高校時代の国語の先生)は元気かなぁ~

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  • 映画 「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」

    久しぶりにテレビを点けたらたまたまやってたので簡単に。

    ここでの主題であるノスタルジー論争には正直興味はない。20代学生の筆者にとって、大阪万博は教科書上の出来事にしか過ぎず、家族(子ども)に対する思い入れがあるわけでもなく、むしろ(この映画の中での定義に沿うと)大人でも子どもでもないことに疎外感すら感じる

    (そうは言っても、「懐かしいって、そんなにいいことなのかなあ?」という風間くんの一言が、懐古主義(このブログを読んでもらってればわかると思いますが)の筆者の胸に突き刺さるのだ。ぐはっ。)

    ただ、この映画を観て涙を禁じ得ないのは、

    「死なせない演出」

    ラストシーン。大人たちを惑わした悪党のボス(ケン)とその連れ(チャコ)が、タワーから飛び降りようとする。足を踏み出そうとしたその刹那、足下から二人に襲いかかってくる鳩。(その足下には鳩の巣があり、雛がいた)。後ずさる二人。風・・・。「死にたくないっ・・・」(チャコ)。「──また、家族に邪魔された」(ケン)。

    世の中フィクションなのをいいことにバッサバッサと人を殺し過ぎなことに不満タラタラなのだが(いったい一日に何人死んでんだよ)、逆に「死なせない」のがいかに難しいか、そしてその覚悟が自分にあるかと考えさせられる。

    覚悟して生きろ。

    多少他人(鳩)任せな感もするが、下手に言葉にしなくても(しない方がより強く)伝えることはできるんだよ、と。(ゲド○記の中の人に爪の垢を煎じて(ry )

     
    ※しかし20代というこの年が、人生の中でこういうテーマから最も離れている時期であるにも関わらず、何故か頬を伝う熱いモノが止まらないのだ。


    移稿前のコメント

    あつし 2006-10-01 @ 14:08

    テレビでやるなら、僕の見てくれでアニメコーナーに入るなんて恥ずかしい思いしてビッグベンで借りるんじゃなかったよ・・・。

    文 2006-10-01 @ 20:13

    ドンマイ(*´∀`)b

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  • 「ゲド戦記」 2006.二馬力・GNDHDDT.監督:宮崎吾朗

    何かと話題のゲド戦記。まぁ、映画館で観ることはないだろうなと思っていたのが、ひょんなことから観るはめに。

    ストーリー考

     
    結論:いや、そんなひどくねーよ?

    そりゃぁ揚げ足取ることはなんぼでもできるわけですけど、みんなが「こんな糞映画20点にもならねぇ」と酷評するもんだから、「だったら一般的な評価として30点は堅いな、万が一ひょっとしてひょっとしたら40点ぐらい付けられるかもな」と思っていたら50点だよビックリだよ。といった感じ。(それでも50点か…( ̄ー ̄;)

    とりわけ、オープニングは上出来だろう。

    一番残念なのは、やっぱり(予告CMを観た人はきっとそう思うと思う)、キャラクターが作品の主題をベラベラしゃべりすぎてる点※2。もともとメッセージ色の強い原作をメッセージ丸出しのまま物語にしてしまったところに、脚本の弱さが表れているような。せっかくいいことも言ってるのに他のセリフに埋もれてしまってる。 演 説 や め れ (苦笑

    あれもこれもと欲張るからややこしくなるんだ。このシナリオでやるのなら、クライマックスで強調されてる「(「生」ではなく「命」の)亡者の醜さ」※3を一番のメッセージにできるはずだから、それに絞っていた方が展開としてはわかりやすくできたんじゃなかろうか。この程度の問題提起(「世界の均衡が崩れている」とかいうやつ)なら、言われるまでもないし。などと、 素 人 は 好 き 勝 手 な こ と を 言 う w

    そして、 あ の ラ ス ト 。

    確かに突っ込みどころと言うか、(苦笑)と言うか、えーーーって感は否めないが、僕としては単に、そういう落ちに逃げたゴローちゃんに不満だ。だから、商業映画用に用意したそれなりにそれっぽい落ちとしては、ありっちゃありなんじゃね?(僕は不満だが。)

    原作者も不満タラタラのようだけど(今更何言ってんだという気もする)、むしろ、まだまだ原作を捨てきれなかった感。過去の話もいらないって。

     
    ※2 子ども向けだと割り切ればそれでいいのかもしれないけど、そう考えるとこんどは言葉や言い回しが難しすぎる。ターゲット層が不明確。
    ※3 もっとも個人的には、そういう「執念」から来るエネルギーも、生きていくのに大切なものなんじゃなかろうかと思ったりもするのだが。

     
    サブキャラの表情豊かなあたり、ジブリらしいなとは思いつつ、それに比べちゃ主人公周辺は酷くないか?と言うか、得意な表情と下手な表情がこんなに明確にわかれるとは…などと突っ込んでもみたけれど、総じて画は綺麗だ。特に、ああいう夜空(明るめの星空の下で雲が白く浮かんでるような)は好きだなー。※4

     

    ※4 動画と背景では担当が全く異なることは承知の上での発言。

    二世監督とスタジオジブリ

     
    さて、賛否両論の宮崎吾朗監督。彼が監督という役に就いたことについてはあれこれ議論されているけれど、このへんで言ってた※5ように、息子だからこそ宮崎駿の跡を継ぐことができたんだというのは正しいのだろう。

    これは、映画作りの技術継承どうこうという問題ではなく、「株式会社スタジオジブリ」存続の問題なのだ。

    よって、別監督の作品に「宮崎駿」を求めて(そして期待と違うと言って)扱き下ろす批評はナンセンスであるが、ジブリは「宮崎駿」の再生産のために後継者を立ててこの作品に臨んだという背景を考えれば、そういう議論が出てきたことがジブリにとっての成功だ。(ここ、何度も読むように。)

    ま、新人監督を育てようと思っても駿君がしゃしゃり出てきて潰しちゃうってのは結構な有名な話で、でもそうやってジブリが成功してきたことを考えると、スタジオジブリ=宮崎駿※6のままピリオドを打つ方がいいのかも。それができないのは商業映画の宿命か。

     
    ※5 特に注:過去形。ここで根拠としている『「ゲド戦記」についての暴言』(『岡田斗司夫の暴論暴言!』より)からの引用部は既に削除されています。要旨は「宮崎駿を理想とするアニメーターはその本人からぼろくそに否定されることに耐え切れずジブリを去っていったが、幼少の頃より否定され続けてきた吾朗監督は、そうしたプレッシャーを受け流す術を持っていた」という話。鈴木プロデューサーの本音も垣間見える。
    ※6 忘れちゃいけない。僕は高畑さんのリアリティ指向も好きだよ。(狸合戦のタヌキ社会を思って泣ける(哀悼ではなく、羨望)ぐらいwww)

    ジブリ作品として

     
    それでも、やっぱり観客は「(これまでの流れを汲んだ)ジブリ映画」として観ちゃうんだよね。

    そして、そう観ると、 こ れ は ひ ど い 。ということになるのだけどそんな議論はナンセンスだというのは上で述べたとおり。

    ただ、よっぽどシリアスでよっぽど自信のあるシナリオでない限り、クスッと笑えるようなシーンはどんな映画にも必要だと思うんだ。思うんです。そこんところ宮崎駿が上手いのは、キャラクター設定の緻密さ(彼らは実に活き活きしている)と、対象としている少年少女の心をつかむ主人公の立ち振る舞い(ここまでが主語)を意図的に作り出せるところにあるのではなかろうか。まぁ、商業作品としてそんなの当たり前じゃんと言ってしまえばそれまで。(でもこの世の中、視聴者に対して彼ほど関心を持っている制作者がどれだけいるのだろう。昨今のテレビを観てるとかなり疑わしい。)(「自己満足の作品が全く無価値だ」などと言うつもりはないので念のため。)

    ま、なんだかんだ言っても(言われても)、ジブリだってことで人は入るし、上映館も多いし、海外への配給も決まってるし、コケることはないだろう。その点、出来不出来どころか話題にすら上らない「ブレイブ・ストーリー」は負けぐm(ry


    移稿前のコメント

    #yasufumi 2006-08-25 @ 11:39

    最後に女の子がドラゴラムを使うあたりがドラクエファンとしてはたまらないデキだったねww

    #文 2006-08-25 @ 15:52

    ちょwwネタバレwwww

    # あつし 2006-08-25 @ 19:55

    >キャラクターが作品の主題をベラベラしゃべりすぎてる点。
    もうこれほんとに怒涛のように・・・。

    それにしても今夏のアニメ映画は「カーズ」のひとり勝ちだと思ってたのに、やっぱりジブリは強いね。

    ブレイブ・ストーリーを観る気はn(ry

    #文 2006-08-25 @ 21:09

    まぁしかし、いろいろ喋ってくれたおかげで制作者の意図は伝わってきたぞ。という超善意解釈。
    ブレイブ~はもう、知らないうちに上映期間終わっちゃってたよ。

    #ko 2006-08-25 @ 23:12

    なあ、時はかけないのかい。

    # 文 2006-08-26 @ 14:17

    院試乙。

    時かけは逆にネット評高すぎて観る気しなさす…
    なんて言いながら、自分の目で確かめないとダメだってのはゲドで再確認させられてんだけどw

    [宣伝]
    「時をかける少女」シネプレックスつくばにて9月9日公開予定
    http://www.cineplex.co.jp/tsukuba/movie/15381/index.htm

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